治療前の歯型を採取し、かみ合わせの目標を決める
カウンセリングと精密検査が終了し、検査データが出たら、それを参考に患者さまとさらにコミュニケーションを繰り返し、治療計画を立てていきます。
当院では、患者さまの歯型を取って治療前の歯列模型を作ります。
そして、失った歯の部分にどんな角度でどのように歯を入れ、かみ合わせをどんな風に仕上げるのか、診断用のワックス・アップ(歯の模型)を作製します。
ワックス・アップでは、インプラントを埋入する正確な位置が把握できます。
土台のポジションが少しでもずれていると、いくら上部構造(人工歯)でかみ合わせを調整してもうまくいきません。
かえって余計な負荷がかかり、インプラントの寿命を縮めてしまうのです。
そのためにも、治療前の段階でより正確な安全対策としてワックス・アップは有効といえます。
またこの方なら美しい歯並びの状態がより具体的に分かりますので、患者さまに現在の歯から、改善された理想のかみ合わせにどう変わるのか正確にイメージしてもらい、次にその状態を実現するにはどのような治療が必要なのかご説明していきます。
さらに理想通りのかみ合わせにしたい場合の治療期間や費用をご提案します。
例えば目立つ前歯をインプラントにして、奥歯は保険診療にするとか、本数の少ないインプラントを選びたいなど、患者さまのご予算やスケジュールを考慮して、希望に合わせた治療法を探るのです。
患者さまの歯を一生診る担当医としての責任
理想の歯形模型から、治療の方向性を探って患者さまの希望する治療を決定するためには考える時間も必要です。
当院では決定を急ぎません。
画像やデータなどの詳しい資料をお渡しし、ご家族とも相談してじっくり考えていただき、また質問があれば相談にのりながら何日もかけてカウンセリングを行います。
なぜならインプラントは正しいケアを行い、上手に使えば数十年も持つので、歯科医とのお付き合いもそれだけ長期にわたるからです。
コミュニケーションを密に取りながら信頼を築き、心から納得のいく治療計画を立案し、提供したいと考えていますので、遠慮なく何度でもご相談ください。
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